ことばのカメラ 俳句
先週、釜石の桑畑書店さんに立ち寄った。
津波の大被害を受けたにもかかわらず、今、仮設店舗でがんばっている書店さんだ。
ご主人の桑畑さんに「これ、知ってる?」と教えてもらったのが、この本。
著者の照井翠さんは、当時釜石市内の学校の先生をしていたと聞いた。
3.11以降の日々を、たった十二文字で写し取る。すごい。
わたしもことばをつむぐことを生業としているけれど、この句集を読むと、自分の甘さに胸がヒリリとする。でも、ものすごく勉強になる。
映像、写真、ルポ、音声、記録にはいろいろあるけれど、句という方法も同じくらいだいじなものではないかと思った。
桑畑さん、教えてくれてありがとう。わたしも近づきたい。

釜石の根浜海岸。地域のみなさんが決めた、震災前と同じ高さの防潮堤
釜石の冬の風物詩
今、釜石におります。
時折、雪がちらつく岩手沿岸部です。
数日前、浜の知り合いの漁師さんのところに顔を出したら、
ホタテの収獲作業真っ最中。
秋の台風被害で大打撃を受けたものの、からんだ養殖棚のロープをほぐしたり、貝を拾ったりして、なんとか少しでも収穫をと、がんばっています。
昨日、釜石の山側の甲子地区をウォーキングしていたら、
おおっ! 軒先に自家製新巻鮭! 仮設住宅でも、
1本2本、時折干しているのを見かけます。
地域色たっぷりの師走の景色。いいものです。
とっても寒いけど……。
でも、三陸の海の幸はこの季節がいちばん。
みなさん、きたんせー!

はいじ
最近はこんなかっこうの日々。
15年前にアメリカで買ったポンチョ。
6〜7年はかぶっている鳥打ちっぽい帽子。
釜石の農家の父さんから一言。
「おめさ(お前さん)、ハイジみてだな。」
……かなりうれしい。
まもなく絵本が
釜石に、「こすもす公園」という公園があります。
震災後、それまであった公園に仮設住宅が建てられ、
子どもたちの遊び場がなくなってしまったことを危惧した
ご夫婦と、その仲間たちがつくった手づくり公園です。
そしてその後、公園の前に建っている工場の暗い灰色の壁を、
たくさんの人の力で明るい絵に塗り替え、
高さ8m×幅43mの大壁画にしてしまったという、
すごい(すばらしい)事実。
昨年からこの公園をずっとお手伝いしていましたが
ようやくそのお話の絵本が完成しました。
『あしたがすき
〜釜石の「こすもす公園」ときぼうのへき画ものがたり〜』
書店に並ぶのは、2月6〜7日ごろから。
すてきな大人たちの奮闘、ぜひみてください!
あ、ポプラ社刊、でした。
Gパンが立つ
物干からGパンを取り込もうとすると、
ミシミシ、しんなり。
まるで「のしイカ」のようでありました。
寒さきびしい東北の冬。
初めての体験がいっぱいで、毎日、目がまん丸。
それにしても、雪山と空が美しい。

雪の釜石
釜石での生活も、5ヶ月が過ぎました。
そうなんです、実は今、釜石の山側で暮らしています。
夏は涼しくてラッキーと思っていましたが、
冬の肌を刺すような寒さには、絶句…。
「ホントの寒さはこれからだよ」
ギョッ。果たして耐えられるか心配ですが、
今日も「エイやっ!」とばかりに雪かきを。
体ポカポカ、頭もすっきり。
寒さ対策は「雪かき」か…がんばっぺし。
新聞記事に載りました
実は、6月に共同通信さんの取材を受け、
以前に書いた絵本『ヒロシマのいのちの水』
のことをお話した記事が、新聞に載りました。
(記者の方がまとめてくれました)
おはずかしいですが…。
宇根さんを、思い出しています。
下の写真は、わたしの大好きな写真。
自分でも、世紀のワンショット…
くらいに誇りに思っている。

8.6.の朝 ヒロシマ
朝7時すぎの、平和資料館前。
原爆が落とされてから70年という節目、
また各国の要人もたくさん来ることもあってか、
あふれんばかりの人。

宇根利枝さんの「原爆献水」を引き継いでいる
谷君が、今日未明に己斐の滝へ行き、
身を清めてから汲んできてくれた清水
(左から二番目のペットボトル)。
地道につづけてくれている活動に、感謝。
きっと、宇根さんも空の上から笑顔で
見守ってくれている…という実感。
つづけていくことのたいへんさはあるけれど、
それを影で支えていきたいと思っている。




