鋭意修業中 人形のいろいろ
仕事の合間を縫って、数年前から我がホームタウン(埼玉県鴻巣市)の伝統工芸「ひな人形」の頭師(かしらし)さんのところへお邪魔して、人形づくりの技術を少しずつ学んでいます。
どうしてもわたしが覚えたいと思っているのが、人形の頭の修理。
修理は、もともと頭づくりに使われている様々な素材の知識はもちろん、繊細な技巧と根気強さ、バランス感覚など、とにかく経験がないとなかなかできるものではないのですが、師匠のアドバイスをもらいながら初めて挑戦。
壊れた古い市松人形の頭を練習台に、少しずつ少しずつ。
まだ胡粉や膠(にかわ)でこしらえる塗り用の胡粉液の調合など、ちんぷんかんぷんですが、
まずはお顔の割れたりヒビが入って浮いている部分を丁寧にこそげるように剥がし、
そこに濃度の違う胡粉液を数回塗って盛り上げ、
乾いたところで丁寧に削ったり磨いたりして段差をなくし、
肌の色に合わせて調合した上塗り胡粉を何度も何度も塗っていく...
なかなか思うようにお顔を整える(盛り上げたり削ったりする)ことができず四苦八苦ですが、飽きることは全くなく、とにかく作業が面白くて熱中しています。
それにしても、師匠の技術は驚嘆の連続。
ひとつひとつ人形の状態(壊れ具合や汚れ具合など)が違うため、修理方法も毎回ゼロから考えての作業ですが、時間はかかっても、どれも見違えるように美しく仕上げます。
わたしもがんばりたい!