2023-01-22

ホントのハナシ


15、16年前くらい、地元にできたスポーツクラブに通っていたことがありました。

フリーになって絵本を1〜2冊出したものの、次に何をしていいか迷っていた時期だったような。

もっぱらヨガ教室と水泳に参加。

が、ほとんど仕事らしい仕事もしていないのに(多少の編集仕事と実家の農家の手伝いはあったものの)、出て行くのはお金ばかり。

うーん...... う....ん....

そしてある日、ハッと閃いたのが「畑仕事!」

その前からやっていたけれど、今ほど熱心ではなかったような。

実は、連れ合いは「オレは狩猟民族系だから、畑仕事みたいな地味な仕事は領分違い」と長年言い続け(今は徐々に気持ちも軟化)、わたし一人で広い畑に出て作業するのがなんとなくさみしいというか、ご近所の目が気になるというか。。。そういう気持ちがうっすらあったのも事実。

 

でも、懐事情が切実になったあの時は、妙にスパッと割り切れて、

(そうだ、畑耕したり畝作ったり、草取りとか全部人力でやれば結構な運動になるぞ。畑もきれいになるし野菜も採れて一石二鳥じゃん? そうだそうだ、お金かけてスポーツクラブに通う必要ない!)

それ以来、「体を鍛えるため」というはっきりした目的ができたので、よそ様の目も何にも気にならなくなり、ひたすら畑仕事に勤しむようになりました。

そうしたら、前よりずっと野菜はもちろん、小さな草花や虫やカエルやケラやミミズやいろんなものに目がいくようになり、季節ごとの風や日差しや田畑の変化にも敏感になり、それが面白く愛おしくなって、ついでにとっても体力がついて(もともとあるのですが)、鎌や鍬や鋤の使い方も妙に上手くなったし、野菜は採れるし......

なーんだ、わたし、スポーツクラブに通う必要なかったんじゃん!

ーーー 我、悟る ーーー

まあ、畑仕事にプール(泳ぎ)はないけれど.....

田植え時期には水が入ったヌルヌルの田んぼに入れば、脚に負荷がかかってそれはそれで足腰の鍛錬になるし。

 

というわけで、畑仕事をしていると体ポカポカ、頭スッキリ

(原稿に行き詰まったときは一番の気分転換→たぶん転位行動)、

満月近くなると、月明かりで暗くなっても畑の草取りをしています。

(そういう時こそ、結構面白いアイデアが湧いたり)

人って、困るとなんとか新しい策を思いつくんだなぁ〜

 

その後、本は何冊か出ましたが、お財布状況はさして変わらず。

ですが気持ちと体は妙に元気で、それさえあれば、なんでもできるような気がしています。

割と単純。