2018-09-04

どっち? 防災タオルとラミネート

2012年に釜石でいただいた安否札。シンプルだけれど、これで実際に津波から助かった人が何人もいた

台風21号の被害が最小限でおさまることを願う今日です。

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先日、各家に配布された防災の安否確認用黄色いタオルのことで、ふと。

洗ってたたんで...考え事をしていたら、オッと、いつものタオル置き場にそのままポン。もっとボーとしていたら、ずっとそのままってことがあるかも、と気づいた。

わたしは農作業(ほぼ草取り)もするから、何の気なしに首にかけて使っているかもしれない。夫はきれいな色が好きだから、汗止めよろしく、黄色タオルをグルグルねじってタコ焼き屋のおいちゃんみたいに使うことがあるかも。

ここで考える。

●普段使いできる物でいざという時に使える物は便利だけれど、この安否確認タオルは、果たしてどうか?

防災委員のおじさんが言っていた。「これ、来年の訓練にも使いますから、ちゃんと取って置いてくださいね。よろしくお願いします!」

ーーあれ、丸一年先まで、このタオルを各家庭がちゃんと取っておくかな? 今浮かび上がる素朴な疑問。玄関先に置いておくと、物が多い我が家では、やがて迷宮入りするのが自明。ならば特別な場所か防災グッズのそばに...となると、緊急時、すぐに玄関にかけられるかどうか ?なところもある。

そこで思い出すのが、やっぱりこの、釜石の中学生たちが考えたラミネート版「安否札」。これならふだん、玄関(内側)の靴箱や何かのフックにかけておくだけで場所を取らない。使用目的は「安否札」onlyだから、玄関以外に置く必要もない。タオルのように結ばないから、書いてある文字も一目瞭然、洗う必要もない。ラミネートに手間と多少のコストがかかるけれど、やっぱり優れている。

釜石の中学生たちは、これを手作りして地域一軒一軒に使い方の説明をして回った。子ども達が「こんにちはー!」と訪ねてくれて一所懸命懸な姿を見れば、じいちゃんばあちゃんや大人達だってうれしいし、いい加減には聞いてられない。これは安否札配布を通して、同時に地域に住む人達の顔を子どもも大人も互いに知る、絶好のコミュニケーションの機会でもあった。

「おはよう」「今日もいい日だな」「気をつけて学校さ行けよ」「おばあちゃん、元気してる?」「暗くなるのが早いから、おめ達、はやく帰れ」「うん、また明日ね」.....そうやって地域が緩やかにつながる、それが緊急時のスムーズな声がけや対応にもつながる。

黄色いタオルも、もちろん大事。でもその先を考えることも必要。ラミネートがベストかも含めて。考えるって大事だ。