2020-01-21

この世界の 片隅に ...


先日、『この世界の さらにいくつもの  片隅に』を観に行ってきました。

それぞれの人物像、輪郭がよりくっきり浮かび上がって、とても良かったです。
1作目を記憶で辿りつつ、さらに目を凝らしてヒロシマや呉の風景を観、すずさんやリンさんに感情移入もして...。
小さく短く書かれた副題を、わたしはこんな風によみました。〈それぞれが抱える、こころのひみつ。時に笑い、ともに泣き、ひっそり涙し....〉
静かに進む映画ですが、片渕監督や制作スタッフの熱意や思い、すごいとしみじみ思いました
 
実は、わたしもすずさんとちょっと似ているところがある気がして。そんな点でも、重ね合わせて観たところがありました。
わりと穏やかな家庭に生まれ育ち(もともと農家で、決して裕福ではありませんでしたが)、田んぼや畑を走り回って日がな遊び、ぼーっとして生きてきた女の子だったのです。
大人になるに従っていろんなことに遭遇し、モタモタして失敗もいっぱい、多少他人の痛みも感じ取れるようになって、ようやくできあがった? 今の自分(でもまだ成長途中)。
 
苦労が人を成長させる部分は多々あると思いますが...でも思ったのは、やはり戦争だけはいやだ、そういう苦労は、誰にもさせてはいけないということ。それに付随して、貧しさ、格差、差別などで心を痛めるようなことも。
だからこそ、過去や、史から学ばなければいけないなと。これからを少しでも良くしよう...と。
・・・
 この映画のように、なんでもないような日常、市井の人々の暮らしを大事に記録し、残したいという思いは私も同じ。
月末は、取材でヒロシマへ。次の本も、精一杯やろうと思います。
おまけ:
映画のエンドロールをよく見ていると...
広島市内・御幸橋の近くで古書店を営んでおられる、あき書房・石躍一則さんのお名前が。
石躍さんは「廣島・広島の資料と言ったら、一にも二にもあき書房さん!」という方で、広島の古地図を多数復刻もされています。わたしもとても大変お世話になっています。
この映画も、石躍さんはじめ、たくさんの方々の協力や応援・思いが合わさり、重なってできたものなんだな.....温かい気持ちで家路についたのでした。