手ぬぐい6変化
12月に、「落語」の演目がテーマの素敵な手ぬぐいをいただき、畑仕事に使うのももったいなくて、いろいろ考えた挙句、こんなことを。
家の中で、三脚にカメラを取り付け、セルフタイマーでこそこそやっていたら、家人に「なにやってんだ?」と。「やるときやしっかりやれ!」ということで、結果二人であーでもないこーでもないと、喧々諤々パチリパチリ。剣道2段の元少女剣士だった風格を...と、木刀も持ち出して構えも真剣。
だんだん楽しくなってきて、「じゃ、次、ビキニでもやっちゃおか!」というところで、「いい加減にしろ」の一言。乗りすぎ禁物。
ちなみに、落語の演目は「時そば」。Takahashiさん、いい感じの手ぬぐい、ありがとうございました。
*手ぬぐいの被り方を研究しているので、続編検討中。
旧広島陸軍被服支廠倉庫の保存を
今、広島で、被爆建物・旧広島陸軍被服支廠(4棟:うち3棟を広島県が管理)の保存が危ぶまれています。耐震強度の問題や、維持管理のための財源確保が難しいという理由から、広島県管理の3棟のうち2棟を解体するという方針が出ています。(詳しくは、リンクを参照)
https://www.change.org/p/広島県知事-現存する最大級の被爆建物-旧広島陸軍被服支廠倉庫を全棟保存してほしい
・・・
たくさんの大事な知人・友人がいる広島へよく出かけるようになって、かれこれ15年。
その間に、被爆ピアノや原爆献水、また原爆で亡くなった家族の記録をまとめた絵本など、何冊もの本を出しました。取材の際、わたしが最も大切にしたいと思ってきたこと(存在)は、あの戦争や原爆を体験した方々の生のお話や、亡くなられた方々が遺した物、また、広島の街のあちこちにまだかろうじて残る原爆の爪痕でした。
阪神淡路大震災や東日本大震災などの災害の被災地を歩いていても思うのは、震災遺構が語る声なき声の大事さ。そこには、生々しい被害の実情だけでなく、その時の空気がまとい、時代が遺されています。それをスイッチに、私たちの記憶や気持ちがタイムマシンのように現実感をもってよみがえる、大きな力を持っています。それは、戦争の爪痕も同じです。
自戒を込めて、私たちはあまりにも忘れやすい。つらい体験は、忘れなければ次へ進めないこともありますが、過去を塞ぎ忘れてしまったら...未来にまた同じ過ちをおかし、さらに深い傷を負うことにもつながりかねない。そういう思いを持って、本を書いています。
平和都市としての広島の役割は、様々な知恵を集結してこれら・原爆遺構を活かし、大事な遺産としてさらに世界へ発信していくことではないかと思います。
この兵器支廠は、被爆ピアノの絵本の主人公の少女(ピアノの持ち主)が、原爆投下当日も働いていた場所でもありました。
100年を超える、歴史的にも貴重な建造物全棟を、私はぜひ遺してほしいと願います。
謹賀新年 2020年
謹 賀 新 年
共に たくさんの発見や温かさにふれる
良い一年になりますよう
「いのち」「平和」のことを深く考え、たくさんの子どもたちに伝えていきたいと思う年のはじめです。
昨年の夏に出版した『ヒロシマ 消えたかぞく』(写真絵本)が、これからの自分の行く先を照らすだいじな一冊となった気がしています。
それからもう一つ。心がじんわりあったかくなるような、思わず誰かにプレゼントしたくなるような絵本も作りたい。
ご近所にできた保育園の子どもたちと出会い、そんなことをしみじみ思うようになりました。
今年もあちこち取材旅に出ます。黄色いリュックにキャップをかぶった私を見かけたら、ぜひお声をかけてください。
2020年 元旦 指田 和
越前、草月陶房で10/6イベントが...絵本朗読
稲刈りもほぼ終わり、ほっ。
・・・・・
先日、越前からご連絡をいただきました。
「映画と絵本と紙芝居」というテーマで、明日10/6に開かれる催しに(草月陶房開催)、私の絵本『ヒロシマ 消えたかぞく』の朗読もされるということでした。
https://www.sogetsu.or.jp/events/others/19716/
お便りで知ったのですが、この陶房は、いけばな草月流の第3代家元、勅使河原宏さんが開設したもの。
勅使河原さんは映画監督、また陶芸作家でもあって、この秋の催しに合わせて勅使河原さんが監督された作品を上映しているとのこと。
今回は「映画と絵本と紙芝居」という構成で、ヒロシマや原爆のことを取り上げるそうです。
私はまだ、勅使河原さんが助監督をされた「生きていてよかった」(1956年制作)をまだ拝見しておらず、駆けつけたいところでしたが、都合で伺うことができず残念です。
ハガキ中の一文、 ーわすれてはいけないことー が胸にしみます。
もしお近くの方、ご興味がある方は、ぜひお出かけください。
・・・
(先方に送らせていただいたメッセージ)
絵本『ヒロシマ 消えたかぞく』がNHK WORLDで
みなさま、こんにちは。稲穂おばさんのSASHIDA です。
昨日(10/1)、NHK WORLD(海外発信)で、この夏に発刊した
『ヒロシマ 消えたかぞく』のニュース映像が紹介されました(2019.10.1)。
(上の、タイトル部分をクリックすると、10/1〜1カ月ほど観られるそうです)
お時間がありましたら、ぜひご覧いただければ幸いです。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/videos/20190930212757655/
絵本に英訳をつけることは、取材段階から考えていました。
やはり、日本はもちろん、海を越えて多くの子どもたち、人たちに
見てほしいと思ったからです。
一つの家族の営みから、その背景(ヒロシマはもちろん、ナガサキも、
原爆で亡くなられた多くの方々・家族、そして戦争で命を落とされた
世界の多くの人々)に思いを馳せてほしいと。
私がこれらの写真を見て、そう気づいたように。
・・・
執筆の合間、というより、畑や田んぼの仕事の合間に執筆する日々です。
もともと農家に生まれ育った私には、稲の収穫時のなんとも言えない香ばしい香り、
また田おこしの頃の土の香りは、自分の「ベース」(基軸)を作ってくれた
大事な香り(+風景)です。
今日はようやく実家の稲刈りも終了。
地道にコツコツ、農作業も執筆も、心をこめて良いものを作っていきたいです。
*絵本情報 :『ヒロシマ 消えた家族』2019年7月刊(ポプラ社)
人が生きる姿に希望... インタビュー
8月15日、74年前のこの日を思い、そしてそこに至るまでの人々の日々を思って黙祷しました。私たちが生きているこの国だけでなく、多くの国の人々のことも思いながら。
『ヒロシマ 消えたかぞく』絵本発刊に際して、著者インタビューということで、記事が紹介されました(ポプラ社HP)。
今回の絵本に込めた思い、またこれまで書いて来た作品にも触れつつ、ノンフィクション絵本を書く理由など、語っています。お時間が許せば、ご覧いただければ幸いです。
https://www.poplar.co.jp/topic
埼玉は台風からだいぶ離れていますが、今日は時折ザーッと雨が降っています。雷雨の予報も。
昨夏の豪雨災害の爪痕がまだ残る中国四国地方の雨が気になります。大きな被害なく、台風が行き過ぎてくれることを願っています。
8.6 絵本のNewsが記事に
8月6日前後の数日、広島に行ってきました。
8.6の朝は平和公園を歩いて通り、広島城のお濠のところで行われた比治山女学校の追悼式に参列しました(原爆死没者74周年 追悼式)。年々、当時を経験された方々のお顔が少なくなっているのには、複雑な思いがあります。以前に取材をさせていただいた丘ヨシエさんも一昨年鬼籍に...。
でも、現在の比治山女子中学・高等学校の生徒さんたちの「平和の誓い」や折り鶴を献上する姿を目にして、「原爆の実相を知ること、平和への思いは地道に継承されている」とも感じました。
式の最後、毎年「行基」作歌の鎮魂歌「ほろほろと」を合唱します。その歌詞、調べの悲しさの深さ。この時ばかりはしばし暑さを忘れます。
ほろほろと
行基 作歌
ほろほろと
鳴く山鳥の 声聴けば
父かとぞ思ひ
母かとぞ思ふ
様々な思いを込めて、この夏に完成した『ヒロシマ 消えたかぞく』絵本。
先日のNHKのニュース映像が記事化されました。継承することは気づいた者の役目とも思っています。
https://www3.nhk.or.jp/news/
絵本ができるまでのnews...
7月に完成した『ヒロシマ 消えたかぞく』。
それに合わせて7月11日に、広島市内のbook cafeハチドリ舎でお話会&パネル展を開きました。平日だったにもかかわらず、たくさんの方がいらしてくれました。
その時の様子や、絵本ができるまでの様子を、NHK広島放送局が去年から取材をしてくれていました。先週、そのニュースが放送されました。
期間限定とのことですが、もしお時間があったらご覧ください。(8分ほど。小見出しをクリックor下のアドレスをコピペしてご覧になれます)
https://www4.nhk.or.jp/P2935/
アルバムを保管しておられた鈴木恒昭さんが、絵本ができたことをとても喜んでくれたのが、本当にうれしかった...。
きっと、六郎さんやきみちゃんたちも、空の上で見ていてくれるーーそう感じたひと時でした。
明朝は、広島で祈ります。
『ヒロシマ 消えたかぞく』絵本
この夏、ようやくできた絵本です。
太平洋戦争中の広島で、荷物疎開していたことで原爆の惨禍を超えて残った、ある家族の写真の数々。ーー当時の広島の様子、家族の温かな暮らし、子どもたちの笑顔、可愛がっていた犬や猫......両親と四人の子どもたちの日常。十数冊のアルバムや、他にも残されたたくさんの写真の数々に向き合い、周辺取材を重ねてまとめたものです。
でも、この家族は、原爆によって一家全滅したのです。
本づくりをしている中で私の根底にあったのは、もちろん原爆の恐ろしさ、戦争のむごさを、ページをめくる読者に共に感じ、考えててほしいということではありましたが、それと同じくらい大事に思ったことは、「家族」というテーマでした。
この絵本の中の写真を見るだけで、その子、その人なりに感じ、思い、心ゆさぶられることがたくさんあるのではないかと思うのです。私自身そうだったように。
絵本の中で紹介した「きみちゃん」は、昭和11年生まれ。生きていれば、今年83歳になります。私の父と同じ年....本づくりをしている時に、そのことにふと気づいて、愕然としました。
生きていれば、その後の人生でどんな人にめぐり合い、家庭を築き、もしかしたらたくさんの子や孫に囲まれて暮らしていたかもしれない....。そういう未来につながる人々をも、原爆は、戦争は奪ってしまったのです。そんな人が、家族が、どれだけあったことか。
作り手の思いもありますが、それはそれとして、この絵本を手にとってくださったお子さんたち、大人の方々、それぞれの身に沿わせてページを開いていただければ本望です。