「明日へつなごう」東北の今...
わが家にあるクリスマス

「クリスマスだー!」というと「ウチは仏教徒だから」と返す家人。
それはそうだけど。
まあいい、わが家にあるクリスマスを……と書棚をゴソゴソ。
なつかしすぎる一冊『よい子に育つこどものためのクリスマス百科』(世界文化社)たしか、小学校1年生くらいのときには読んでいたような。
つまり、もう40年以上前の本。茶色くなったページに歴史を感じる、だいじな宝物。安野光雅さんや村上勉さんの、美しい絵がいっぱい。
『Jingle Bugs』は、アメリカで買った仕掛け絵本。シンプルだけど、小さい子に見せるとなかなか手放さない人気本。最後のページのクリスマスツリーの★が点滅したのが、さすがに電池切れ。でも捨てられない。
『森のクリスマスツリー』は、『海をわたったヒロシマの人形』(ともに文研出版)の挿絵を描いていただいた牧野鈴子先生の絵本。静かな森の、森番のおじいさんと動物たちのおごそかなクリスマス。
『さむがりやのサンタ』(福音館書店)は、テーブルの上に飾ろう。
『THE POLEAR EXPRESS』は、やはりアメリカで買った本物(英語版)。朗読CDつきで、聴きながら絵本をめくるのは、ぜいたくな時間。
さて、せめて夕食くらいはチキンとワインで、すこしくらいクリスマス気分を……と思いはしたが、やっぱりわが家(家人)は超・和人間。釜石の一夜干しイカに焼き魚、そして日本酒。さむがりやのサンタさんは、わたしたちを見て、なにを思うか…?
ことばのカメラ 俳句

先週、釜石の桑畑書店さんに立ち寄った。
津波の大被害を受けたにもかかわらず、今、仮設店舗でがんばっている書店さんだ。
ご主人の桑畑さんに「これ、知ってる?」と教えてもらったのが、この本。
著者の照井翠さんは、当時釜石市内の学校の先生をしていたと聞いた。
3.11以降の日々を、たった十二文字で写し取る。すごい。
わたしもことばをつむぐことを生業としているけれど、この句集を読むと、自分の甘さに胸がヒリリとする。でも、ものすごく勉強になる。
映像、写真、ルポ、音声、記録にはいろいろあるけれど、句という方法も同じくらいだいじなものではないかと思った。
桑畑さん、教えてくれてありがとう。わたしも近づきたい。

釜石の根浜海岸。地域のみなさんが決めた、震災前と同じ高さの防潮堤
釜石の冬の風物詩

今、釜石におります。
時折、雪がちらつく岩手沿岸部です。
数日前、浜の知り合いの漁師さんのところに顔を出したら、
ホタテの収獲作業真っ最中。
秋の台風被害で大打撃を受けたものの、からんだ養殖棚のロープをほぐしたり、貝を拾ったりして、なんとか少しでも収穫をと、がんばっています。
昨日、釜石の山側の甲子地区をウォーキングしていたら、
おおっ! 軒先に自家製新巻鮭! 仮設住宅でも、
1本2本、時折干しているのを見かけます。
地域色たっぷりの師走の景色。いいものです。
とっても寒いけど……。
でも、三陸の海の幸はこの季節がいちばん。
みなさん、きたんせー!

はいじ

最近はこんなかっこうの日々。
15年前にアメリカで買ったポンチョ。
6〜7年はかぶっている鳥打ちっぽい帽子。
釜石の農家の父さんから一言。
「おめさ(お前さん)、ハイジみてだな。」
……かなりうれしい。
まもなく絵本が

釜石に、「こすもす公園」という公園があります。
震災後、それまであった公園に仮設住宅が建てられ、
子どもたちの遊び場がなくなってしまったことを危惧した
ご夫婦と、その仲間たちがつくった手づくり公園です。
そしてその後、公園の前に建っている工場の暗い灰色の壁を、
たくさんの人の力で明るい絵に塗り替え、
高さ8m×幅43mの大壁画にしてしまったという、
すごい(すばらしい)事実。
昨年からこの公園をずっとお手伝いしていましたが
ようやくそのお話の絵本が完成しました。
『あしたがすき
〜釜石の「こすもす公園」ときぼうのへき画ものがたり〜』
書店に並ぶのは、2月6〜7日ごろから。
すてきな大人たちの奮闘、ぜひみてください!
あ、ポプラ社刊、でした。
Gパンが立つ

物干からGパンを取り込もうとすると、
ミシミシ、しんなり。
まるで「のしイカ」のようでありました。
寒さきびしい東北の冬。
初めての体験がいっぱいで、毎日、目がまん丸。
それにしても、雪山と空が美しい。

雪の釜石

釜石での生活も、5ヶ月が過ぎました。
そうなんです、実は今、釜石の山側で暮らしています。
夏は涼しくてラッキーと思っていましたが、
冬の肌を刺すような寒さには、絶句…。
「ホントの寒さはこれからだよ」
ギョッ。果たして耐えられるか心配ですが、
今日も「エイやっ!」とばかりに雪かきを。
体ポカポカ、頭もすっきり。
寒さ対策は「雪かき」か…がんばっぺし。
新聞記事に載りました

実は、6月に共同通信さんの取材を受け、
以前に書いた絵本『ヒロシマのいのちの水』
のことをお話した記事が、新聞に載りました。
(記者の方がまとめてくれました)
おはずかしいですが…。
宇根さんを、思い出しています。
下の写真は、わたしの大好きな写真。
自分でも、世紀のワンショット…
くらいに誇りに思っている。
