3.11 風船に乗せて
3.11、午後2時46分。
このときを、根浜海岸で迎えました。
宝来館のみんなやお客樣方、立ち寄られた方々と
願いをこめたメッセージを書いた風船を手に。
海に見える船は、海上保安庁の船です。
地震がきたあの時間、一斉にサイレンが鳴らされ、
みなで海に向かって黙祷を捧げました。
その後、風船を空に。
あの地震と津波を越えてこの3年の時間を生きてきた
方々の気持ちを思うと、簡単にことばが出てきません。
「生きていてよかった」と、生き残った方々がせめてそう
思える、言えるようになるようなサポートや、被災地の現状を
伝えつづけること、行政の対応に物を言っていくことこそ、
わたしたちみなのできること、役割ではないかと思う日々です。
3.11釜石・とうほくのこよみのよぶね
今月は9日夕方から釜石へ来ています。
この数日は、3.11にあわせておこなわれる
さまざまな催しや支援プログラムなどの準備をする
方々の姿が、あちこちに見られます。
これは、今日午後4〜7時にかけて、
釜石の根浜海岸で行われる、
釜石アート支援プログラム
「とうほくのこよみのよぶね」。
わたしがお手伝いしている宝来館に、主催者の方々が
宿泊されていて、昨晩準備を終えたところでの1枚。
「こよみのよぶね」とは、岐阜市長良川で毎年冬至の日に
行われる行事だそうです。
http://www.pref.gifu.lg.jp/kensei-unei/kocho-koho/event-calendar/gyoji/seiryu-kuni/tohokuno-koyomino-yobune.html
澄んだ夜空(ゆうべはほんとうに冴え冴えした夜でした)に
ぽっかり浮かぶ船。
今日はほんとうに海(根浜海岸)に浮かべられるそうです。
やさしい灯り、海からも、陸からも、空からも、
きっとたくさんの人がみてくれているはず、と信じています。
p.s.こちらには、あの日比野克彦さんがかかわっていらっしゃいます。
スタッフのみなさん共々、ほんとうに感謝です。
自分もすっかり東北人のような感覚です。
あらまき
この温かさで師走の気分がしないのですが、
走り回っていることだけは事実の昨今。
* * *
今朝のNHKの番組を観ていたら、
「あまちゃん」のあきちゃんや、
「会計ババア」や海女くらぶのみなさんが出ていて、
セカセカ気分が、しばしゆったりのびのび「海女時間」に。
(そうだーねー、キリキリしたとこで、
けちまずくくらいで、いいことねえっぺしなあ……)
* * *
夜に、写真整理。
これから、お手伝いしている釜石の宿のリーフレットづくり。
で、この写真を発見。つい先月撮ったばかりなのに、
すっかり忘れてました。
立派な太巻き、ではなくて「新巻」。
板長さんにいただいたもの。
今年は鮭があんまり獲れなくてたいへんなのに…。
オラの方が手伝いに行っているのに、みんなに心配してもらって、
「オメエ、ご飯ちゃんと食べたか? これ食え」
「ちゃんと寝ねば、体がもたねぞ。早く寝ろ」etc...
今ではオラには、東北に父さんや母さん、兄ちゃんや姉ちゃんが
いっぱい。
できる限り、まだまだ東北行きをつづけます。
もしかして、オラの祖先(DNA )は東北だべか?
鮭のように、母川回帰的行動をしている指田です。
釜石・両石湾 夕景
両石(りょういし)の高台から海を眺める。
ふだんはこんなに静かな海。
両石はイカ漁で有名。漁師さんたちはイカを求めて
あちらの海、こちらの海と船を走らせる。
「海のジプシーって言われているんだよ」
とは、宝来館女将のことば。
荒れる海、恵みの海、生命誕生の海…。
それにしても、空がきれい。
ほれぼれ…月の道
昨日夕方、外があまりにも明るいので、外にふらり。
大槌湾に光の道が。
闇が刻々と深くなり、
反比例して月の道が冴え冴えと。
なんと幻想的な風景。
冬、月の半ばごろ、宝来館からは
こんな風景が見られます。
それだけでも、ぜいたくな気がします。
寒・仙人峠
火曜日から、釜石に来ています。
* * *
月曜日に埼玉を出て、北上で一泊。
なんと、北上では夜、雪!
翌朝は晴天で、あっという間に雪が溶けたのでホッ。
釜石へは、初めて仙人峠を通ってきました。
「紅葉がいいよー」
と聞いていたので、楽しみにしていたら、
前方に見えるのは……雪をかぶった山頂。
頂上ちかくは0℃、道路も凍ってるような。
枯れ葉舞う仙人峠。
でも、それはそれで旅情をそそる、キリッとした
よい景色でした。
悩むことは…
昨日は久しぶりに都内へ。何ヶ月ぶり?
今年春から、家のまわりと釜石の二つの地域、
ピンポイントが主な活動地域。
都会の空気を忘れていました。
地下鉄も、券売機の上の路線図を見て、
(どうやって行ったらいいんだっけ……)とブツブツ。
* * *
田舎にいると、このごろは
「都会なんて、もう行かなくったって!」
なんて思っていましたが、やっぱり都会は都会の
空気感がいい(ちょっと足早で、パリッとした感じ)。
表参道や神楽坂界隈を歩いているだけで、
背筋がピッと伸びました。
* * *
帰りがけ、ぶらり書店に立ち寄って目についたのが、
『悩むことはない』金子兜太(文春文庫)と
『吉村昭が伝えたかったこと』文芸春秋編(文春文庫)。
物思う秋で、うつうつ考えてため息が続いていたこのごろ、
前書『悩む…』を読んでいたら、「糞尿愛好」という下りで、
プッ…!
水木しげるさんとの対談もちょっと載っていて、
さらにププッ!
気がつけば、憂いは彼方、大笑い。
金子兜太さんは、我が出身地からとってもお近いところに
お住まいで(埼玉県熊谷市)、幼少期に住んでおられた
秩父の話なども出て、同じ文化圏の物としては、
とってもわかるところがあって、気持ちよく読ませていただきました。
悩みが吹き飛ぶだけでなく、これまでなんとなく避けていた
俳句も、少し興味がわいてきました。
読書って、いいなあ。
森の祭り 03
夜には、町の各所で屋台どうしの練りが。
競うように、太鼓、お囃子の大音響、
そしてこちらの屋台からあちらの屋台へ、
「えいやっ!」と飛び込む男衆。
かなり威勢がいい、というより激しい。
森の祭り 02
いつの時代も、お祭りは若者のエネルギーの発散の場所。
地域の伝統をつなぐよき「場」となっているのだなあと感じます。
* * *
震災以来、東北のお祭りや伝統芸能を見る機会が増えましたが、
同じことをしみじみ感じます。伝統をつなぐだけでなく、
地域をなんとか取り戻そう、盛り上げよう、つくっていこう
という気迫。
私自身、そういうのがわりと希薄な地域で育ってきたため
(いや、地域ではなく家庭の問題…?)、
うらやましいような、いつもどこか傍観者のような、
なんとも言いがたい、フワフワした感覚です。