還らないもの
お天気も落ち着いていたので、
しばらく出かける前にと、終日畑へ。
ミニトラクターで畑を耕すと、思ってもないところで出てくる、ビニールやプラスチックの破片。便利と思って使ったビニールシートやプラスチック札、その他のものが、劣化してパリパリ・ビリビリになって……茶色いフカフカの土の中で、ものすごい違和感を感じる。
切り藁、麻ひも、木札、そういうものはいずれ自然にかえるけれど、ビニールやプラスチックはそうはいかない。いつまでも、いつまでも残る。あまりに劣化すると粉々になって土に混じり、一瞬見えなくなる……気がする。でも、微生物に分解されて、土と同化することはしない。見えないだけで、残る(ここまでくると、もう拾えない)。
廉価で便利。だから「もう絶対使わない」とは言わないけれど、買う前にちょっとだけ考えなくちゃ…。
安易なものは、安易にゴミになる気がする。超消費型社会? 循環型社会? えらぶのは自分。
暑さにも寒さにも…
負けず……と言いたいところだけれど、
寒さには弱く、ストーブを焚いてPCに向かって原稿を……と思いつつ、瞼が重くなってコックリコックリ……。
先週から鳴き声が聴こえるようになった庭の虫も、ミニ池に入り込んだと思われるトノサマガエルの声も、この数日はさっぱり。この寒さ、虫だってカエルだって活性が下がるよなあ。わたしもいっしょ…。(低血圧で平熱も少し低いので、寒さにはめっぽう弱いのです)
テレビのニュースで、たしか仙台?、蕾が開いた桜に雪が降り積もっている映像を観てびっくり。25日からは再び岩手・釜石へ行く予定なので、何を着ていくか、持って行くか、少し悩みます。
さすがに今後はそこまで寒くなる日はないだろうけれど……いや、でも震災の年は、5月連休明けでも底冷えする日があって、朝、息が白くなった日があったっけ…。
絵本でずっと取材をさせてもらっていた、釜石東中の今年の卒業生(今高校1年生)たち、どうしているかな? 朝、ちゃんと起きて、高校へ通っているかな? この寒さの中、自転車を飛ばして通っているのかな。それとも、バス通学……?
漁師のおじちゃん、おばちゃんたちは、どうしているだろう? 海はまだまだ寒いよな……ワカメ漁、今年は調子いいんだろうか?
あ、出かけるまでに、インゲンの種を播くのと、長ネギの植え替えをしておかなくちゃ……。
* * *
ぼんやりしながら、頭の中はグルグルぐるぐる……。虫やカエルもは、穴の中で何を考えているんだろ…?
アーノルド・ロベールの『がまくんとかえるくん』をふと思い出しました。好きな本です。
雨、散歩、本
タイトルにひかれて、手に取った一冊、『春を恨んだりしない 震災をめぐって考えたこと』池澤夏樹著(中央公論社)。
震災後、池澤さんが感じたこと、考えたこと、東北に行ったときのこと、原発のこと、いろいろが書かれてある。読んでいて、すこし重い気持ちになったり、ハッとするようなひとことに出会ってドキンとしたり、この2年で出会った東北のたくさんの友や海やがれきの町を思い出して、読み終わったときは大きなため息をついた。
この本には、モノクロの写真もたくさん入っている。東北沿岸部の被災後の風景…というか、空気が写っていたが、これが池澤さんのことばと合って、とてもよかった。
郵便局まで用があって、ふだんだったら車で行ってしまうところを、今日は雨の中、ブラブラと歩いて行った。本の余韻を味わいたかったからかもしれない。
ちょっと歩けば、ほんとうにいろんなものが見えてくる。水たまり、緑、花びら、土のにおい、春。
感じるってことは、生きているってこと。自分も、地球も。
「たまたま生き残っ我々」、その責務、「東北の人々と共に踊る日のためにできることのすべてをした上で、その日を待ちながら、一人ででも踊る」池澤さんのことばが、腹の底に響く。
今日
午前中、東北の友人からメールがあった。
「昨日で職場、やめました」
ドキッ……やっぱり……。いろいろあって悩んでいる様子をいつも聞いていたからなあ、とうとう決断したか……。職場の状況、友人の悩んでいる姿、いろいろ考えて、すぐに返信できなかった。
やっと返したのが、
「大変だったのはわかってたけど……だいじょうぶ? 今度会ったら、ゆっくり話しよう」
ため息が続いた。被災して仮設暮らし、次の仕事は? ……わたしに何ができる?
それから間もなく、返事がきた。
「今日は何月何日かな?」
(えっ、仕事を辞めて、日にちもわかんないくらい落ち込んでる…?)
カレンダーを慌てて見て、返信しようと…… あ……!!!!!?
4月1日 _____ April fool 's day
ヤラレタ…… 思わず大笑い。と共に、ドーッと脱力。
いやあ、東北人のユーモアとたくましさに、たまげたべー。「自分の境遇を笑って話せるようになってきたら、物事をだいぶ客観的に見られるようになってきた証拠」なんて言われることがあるけれど、ほんとにもう、すごい!!
まだまだわたしは、かなわんなあ(苦笑です)。
畑仕事=草取り?=creative
一昨年くらいから、前に増してあちこち出かけることが多くなったため、畑はそっちのけのかんじ……でもないのだけれど、案の定、草ボウボウ。
やりだせば止まらない性格なので(=やらないときはやらない、という横着でもある)、ここ数日は夕方畑に出て、せっせと草取りをしています。
農家の娘だし、なんといったって小さい頃から田んぼも畑も手伝ってきたし、しかも最初の勤め先は農業関係の出版社だったし……畑仕事(やさいづくり)なんてお手の物! と思っていたのが、ここにきて深い挫折の念というか、「やっぱり、そんな簡単なものじゃないぞ、これは」という謙虚な気持ちに。
子どもでも人でも、伸ばそうとするときに「誉める」と「注意や気づかせる」のタイミングがあるように、野菜だって、栄養のくれどきや間引きやら剪定やら…あるんですよね。その前に、大事なだいじな土壌づくりもあるし。まだそれがいまいちピンとこない。
ただ言われるままに手伝っていたのと、自分でやるのとでは、やっぱり全然ちがうんだと、深く深く納得。
ここは本腰を入れて……といきたいところだけれど、この春以降もまだまだ家を留守にすることが多くなりそうで、こまめに手をかけての野菜づくりは難しそう。播いておいて育つ、畑の肥料になるくらいの気持ちで、今から大豆や大麦でも播いておこうかと思案中。
……草むしりしている時間は、目の前の仕事に集中しながらも、ぼんやり様々なことを「あーでもない、こーでもない」と考えて、実はなかなか良い時間。テーブルの前に座っていると、PCに向かうだけで、わたしの場合、意外と想像的思考回路は働かせていないような。
思考のrefreshのために、いつも草むしり……まあ、ぜいたくといえば贅沢か。でも、畑に出る度、近所に響くようなくしゃみと鼻水。なんだか、refreshなんだか朦朧なんだか、わからないこの季節です。
3.11を大槌で…
絵本完成『つなみてんでんこ はしれ、上へ!』
今ごろですが…ほんとは今がお正月
それはさておき、旧暦のお正月、本来の年初めはつい先日の9日。
改めまして、本年もよろしくお願いいたします。
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このごろ、以前より釜石に来ることが多くなり、
行ったり来たりもめんどうくさく、それならいっそのこと、
今年は釜石に長逗留……などと考えています。
2月も(現在の暦で)7日から釜石に来ていて、あっという間に1週間。
お手伝いをしている宿・宝来館では、この間に黒森神楽が舞われ、
たくさんのお客様がいらして、大興奮。
一昨日は雪も降り、海辺も久々に雪景色。
今週末は、釜石市内で「おひな様づくりー絵付け教室」のお手伝い。
…実はこれは、わたしの住んでいる町・埼玉県鴻巣市の人形職人さんを
講師に招いての、お楽しみイベント。
楽しいのと忙しいので、毎日が飛ぶように過ぎていきます。
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そんなあれこれを、これから(今年)はもう少しマメに、
記録に残していこうと思います。
お時間があったら、ちょっとのぞいてみていただければうれしいです。
p.s.写真は、鴻巣の人形頭師、的場健一さんの作品。お気に入りの1枚です。